ノーマークやサイドでのシュートで前につめると
浮かされる場合、注意することは?

前に出てシュートをとる場合は、ノーマークシュートやポストシュートのように近い距離からフリーでシュートされ、下がっていてはとても取れないと思う時やサイドシュりトのようにシュート範囲が限定されている場合に多く用います。ゴールキーパーが前につめて壁をつくり成功した時のシューターの心理というのは、「シュートを打とうと思った時にはあいていたのに、打ったと同時に前につめられてしまい入らなかった」という場合や、「打とうと思った時にはすでにつめられていてゴールキーパーばかり見えてゴールが見えず、キーパーをはずして打つとゴール外に出てしまった」といった場合です。キーパーが成功するのは、シューターの心理的要因を読んでつめるからです。

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浮かされて失敗する場合は、つめていく動作をシューターに見られているからです(写真Ⅰ)。シューターが、どこへどのような方法でシュートしようかと最終的に決心する瞬間があります。決心しょうとする時には下がっていて決心した後に跳び出してくれば、シューターにとっては打ってしまってからうまくつめられてしまったということになります。写真Ⅱはその例で、シューターが最終判断する時機(写真④)には下がり気味の位置をとり、その後にシュートボールに対して壁を作っでシュートを止めています。

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シューターの最終判断の時期を④と決めたのは、⑦でフォワードスイングが始まっているので、その時機より反応時間(約0.2秒)を差し引いたからです。

また、ポストシュートの時のように、一瞬ゴールキーパーを見ない時機を利用して前につめてしまうといった方法は、シューターが「打とうと思った時すでに壁をつくられていてどうすることもできなかった」というゴールキーピングになります。未熟なゴールキーパーは得てしてシューターの心理的な要因を考えずにつめるので、シューターに見すかされてしまって浮かされることが多いのです。

もちろんつめて壁をつくるという技術は、一瞬の時機を誤ってはならないし、その動作も一瞬でなければなりません。動作に思い切りがなくてはうまくいくはずはないのです。下がるかつめるか迷っていては、よいつめはできません。つめるか下がるかは、その時のシューターの状態やシューターにつくディフェンスの状態、シュートの位置などによって異なってきます。常につめのキーピングばかりしているとシューターに対応されるのでゲームではつめと下がりを使いわけられるようにすることが大切です。(大西)

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